傾聴

相手の感情に巻き込まれずに生きる

 

日常生活の中で、対峙している相手の感情に巻き込まれてしまうことがよくあります。相手の感情に自分自身が巻き込まれてしまうと損をするのは自分です。相手の感情に気遣って上げることも大切ですけれど、まずは自分の感情が害されないことが大切なのです。

そのために必要な技法のひとつが傾聴です。

自分を守るための傾聴

プラスとプラスが反発するように、感情に感情でぶつかってしまうと、対立しか生まれません。従って、どちらかがマイナスの立場を足らないと、物事は前に進んではいかないでしょう。

そして、マイナスの立場を取るのは、冷静さを保っている側となります。冷静さを持っている側の人間は、相手の言い分をしっかりと聴いてあげることで、クールダウンをさせてあげる必要があるのです。このクールダウンをしてあげることで、相手に冷静さを取り戻してあげるのです。

相手が感情的になっている場合の傾聴で気を付けていかなければならないことは、むやみやたらに質問しないことです。感情的になっている人にむやみやたらに質問してしまうと、その質問が逆に相手の感情を煽ってしまう場合が多いので、相手の話を淡々と聴いてあげるといいでしょう。

人は自分の言いたいことがいえるとすっきりするものです。また、その内容が批判的なことであればあるほど、それを言った自分自身の言動に対して、反省もするものなのです。反省とは、冷静さを取り戻したということを意味するので、とにかく、言いたいことを言って貰い、冷静さを取り戻させることが大切なのです。

こちらが冷静ならば、相手も冷静になる

感情が高ぶっている人と対峙しているとき、自分自身を守る必要もあります。そういったときには、上から目線になって、温かく見守ってあげることも必要です。

感覚として、怒ってる小学生を大学生が相手にしてあげているくらいの感覚になる必要があるでしょう。自分自身をなくしている人に対して、こちらも相手にあわせる必要は全くありません。相手に寄り添いつつも大人として対応していけば、自分自身を守ることができるといえるでしょう。

そういった姿勢のひとつとして、相手の話をちゃんと聞いていますよ、という態度を保ちつつ、話している内容に対して否定も肯定もせずにただ頷いてあげればいいのです。無理に質問はせずに、相手の話が止むまで落ち着いて聞いてあげることができれば、それで充分であるといえるでしょう。

そのようにして、こちら側が冷静であることで、相手側が次第に冷静になっていくのです。この態度こそが、小学生に対する大学生のような上から目線ということなのです。

包容力のある人が最終的にほほ笑む

包容力のあることが大人であるといえるでしょう。年齢の高い低いは関係ありません。年齢が仮に低くても包容力があるならば、その人は大人であるといえるのです。

包容力でもってどんな相手でも接することができたなら、あなたの人生は穏やかなものとなるはずです

本日のまとめ

タイトル
① 傾聴は自分を守るための術でもある。
② 傾聴が感情的になっている人をクールダウンをさせる。
③ 相手が反省するようになったら、冷静さを取り戻してきたという証拠。
④ 包容力があなたの人生を穏やかにしていく。

 

傾聴の大切さ③

 

会話を重ねていくことで、ふと気付きが生まれることがよくあります。気付きは人の表情を明るくさせ、肩に入っている余分な力を一気に抜いていきます。気付きには、人をリラックスさせる力があり、より自然体に向かわせることができるのです。

自然体で生きている人は最強です。なぜなら自然体の人は、自分の中に存在している理(ことわり)を知っている人であるからです。

人は、自分自身の中の理を知れば知るほど、自然体に近づいていけます。

人は、自然体そのものになったとき、すべての理を知ることができるのです。

 

おはようございます、『落ちこぼれが創る未来の会』代表のwatanabeです。

 

人は生まれた時は自然体

人は誰もが自然体で生まれてきます。赤ん坊は自然体であり、色に例えるなら真っ白です。しかし、人は成長していくにつれて、その人その人なりの色を身に付けていくこととなります。様々な環境や様々な経験が独自の色を身に付けさせるのです。そうして、色が身に付いていくにつれ、人はいつしか自然体でいられなくなってしまいます。

とはいえ、自然体の自分から遠ざかっていくことは当然のことともいえます。なぜなら、真っ白のままであったらこの世の中を生きていくことができなくなってしまうからです。人は、色を身に付けていくことで、社会に対処していける能力を身に付けていくのです。

しかし、必ずしも身に付けた色がいいものばかりではないこともあるでしょう。身に付けた色が、何かしらの不具合を生じさせ、その結果、身動きが取れなくなったり、八方塞がりにしてしまうことだってあるはずです。

そのようにして身動きが取れなくなってしまったり、八方塞がりになってしまった結果、多くの人が、カウンセラーもとへ足を運ぶようになります。

我々カウンセラーは、そのような問題を抱えてしまった方々に対してカウンセリングを通して、可能な限り自然体に近づいて貰えるようお手伝いをしていきます。不調和の原因となってしまっている色を抜き、より自然体に近いづいていって貰うのです。

この色を抜く作業は「気付き」を持って行います。「気付き」は、クライアントの持っている不都合な情報や思い込みなどを相殺させる力があります

不具合を生じさせていた色を相殺していくことで、今度は、気付きによってできた新たなキャンバスの上に、自分の色を自分の意思で描いていって貰えるよう導いていきます。

話を聴いて貰いたいというニーズを満たす、それだけでいい

カウンセラーは会話のプロでありますけれど、何も難しいことをしているのではありません。淡々と相手の話を聴き、その中から疑問に思ったことやもう少し知りたいなと思うことについて質問をしているのにすぎません。

ではなぜカウンセラーが相手の話を淡々と聴き、疑問に思ったことを詳しく話して貰うことを繰り返していくかというと、人は自分自身の話をしているうちに、自然と自分の気持ちや考えが整理できるようになるということを知っているからです。

自分の気持ちや考えが整理できるということは、自分自身を第3者的に見ることができるということです。人は自分自身を客観的に見ることができた時、問題の中の矛盾点に気付けるものなのです。

また、カウンセラーは、多くの人が自分の話を聴いて貰えることに大きな喜びを感じるということも知っています。人が自分の考えや気持ちを、無条件に聴いて貰えるだけで、自然と力が湧き上がってくるということを知っています。自然と力が湧き上がってくると人は迷うことなく行動できるようになるものなのです。

自分の抱えている矛盾に気付き、それに対して行動できるようになれば、カウンセラーの仕事の大半は達成されたようなものといえるでしょう。

人は行動できないから悩むのであり、何かしらのきっかけで悩みが解消でき、自らの意思で行動できるようになったなら、そこから先はひとりで問題の対処にも取り組めるようになるでしょう。

このように、人は他者と対話することで自分自身を客観視し、矛盾点に気付くことができれば、不調和の原因であった色をひとつ落とすことができます。色を落とすことで、より自然な状態の自分に近づくことができたなら、気持ちは軽くなり、重い腰が上がっていくようになるものなのです。

傾聴というと、話を聴くということだけに思われがちで、どうしてもアグレッシブに問題解決に取り組んでいないように思われがちです。しかしながら、この相手の話を受け入れながら丁寧に聴いていくということだけでも、問題解決に向かわせるパワーを十分持っているのです

カウンセラーいらずの世の中に!

他人同士の会話を聴いていると、会話が嚙み合っていないために、会話が会話として成立していないと感じる場面によく出くわします。そういった時、私は「もったいないな」と思います。

会話はプラスとマイナスがが揃ってはじめて成立するものであり、プラスとプラス、マイナスとマイナスでは反発してしまいます。

人は基本的に会話に対して無自覚です。会話は生まれてから育っていく環境の中で自然と習得していくものであり、特に詳しく学ぶ機会も少ないため、誰もが自己流で会話をしているといっていいでしょう。

カウンセラーは、カウンセラーになるための勉強中に、自分がこれまでしてきた会話がいかに無自覚だったかを学ばされます。それまでの会話がいかに自己中心的なものであったかを思い知らされるのです。

しかし、この無自覚さを知ることによって、人の持つ心理的背景を十分に理解できるようにもなります。目の前の人が、今、どんなニーズを持っていて、それを会話を通じてどのように解消していきたいのかを知ることができるのです。

会話の中には、自分の中にある何かを誰かに伝えたいという欲求が存在しています。この欲求を満たされることがないと、それこそ欲求不満の状態に陥ってしまいます。

従って、周囲に話を聴いて貰える人がいないと、欲求不満は解消されることなく行き場を失い、その人はストレスを溜めてしまうこととなってしまうでしょう。

カウンセラーは、目の前のクライアントが、何を話せば欲求不満を解消させられるのか、というニーズを探しながら話をしっかりと聴いてきいていきます。そういったニーズを上手に見つけていくことで、気付きを促がしていくのです。これができるからこそ、カウンセラーがプロであるといえる証拠でもあるといえるでしょう。

とはいえ、この話し手のニーズを満たしてあげられる存在が、必ずしもカウンセラーである必要はありません。身近にいる信頼のおける人であれば何も問題はないのです。人は信頼できる人に心のうちを話すだけで、十分に自分を癒すことができるのです。

そこで大切になってくるのが、話を聴く側の態度ということになります。悩みを持っている人に対して、会話のキャッチボールができるよう、上手にプラスとマイナスを使い分け、その人の欲求が解消できるよう、話を丁寧に聴いてあげる必要があるといっていいでしょう。

調和的な世の中にするために、まずは相手の話をしっかりと聴こう!

会話の中でプラスとマイナスを使い分けができ、会話の中から気付きを引き出してくれるような人が身近にいる心強いものです。そういった人が、世の中にたくさん存在するようになったななら、この世の中は必ずよくなります。

そういった意味でも、自覚的に会話ができるようになる人を増やしていくことが、カウンセラーの使命のひとつなのかもしれません。

カウンセラーは、普段の会話を通じて会話のプロとして周囲の見本となり、たくさんの人に良い影響を与えていくよう心掛けていく必要があるでしょう。

カウンセラーは周囲に影響を与えることで、少しづつ調和的な会話のできるような人を増やしていき、その結果として、身近な人を通じて問題解決のできるような世の中を形成していけるよう仕向けていかなければなりません。

人と人との間に気付きが生まれると、そこに成長が生まれます。そのようにして生まれた成長が、必ずこの世の中を良くしていくことに間違いはありません。

もし、このブログをご覧になっている方の周りに、辛そうにしていたり思い悩んでいるような人がいたら、少しだけでもいいので、そういった人の話を聴いてあげてください。

話を聴いてあげることだけで、問題が解決してしまうこともたくさんあるのですから。

落ちこぼれこそが新しい未来を作る!

苦しみを体験した上でそれを克服し、意図して自然体で生きることのできるようになったとき、人は理を知ることができるようになります

私たちの会では、そういった人とともに新しい世の中を形成していきたいと考えているのです。

本日のまとめ

タイトル
① 人は、自然体そのものになったとき、すべての理を知ることができる。
② 気付きは、クライアントの持っている不都合な情報や思い込みなどを相殺させる力がある。
③ 人は、自分自身の話をしていると、自然と自分の気持ちや考えが整理できるようになる。
④ 人は自分自身を客観的に見ることができた時、問題の中の矛盾点に気付くことができる。
⑤ 人が自分の話を聴いて貰えることに大きな喜びを感じるものである。
⑥ 丁寧に聴いていくということだけでも、問題解決に向かわせるパワーを十分持っている。
⑦ 人は信頼できる人に心のうちを話すだけで、充分に自分を癒すことができる。
⑧ 人と人との間に気付きが生まれるとそこに成長が生まれ、その成長が世の中を良くしていく。

 

 

傾聴の大切さ➁

 

こんばんは。『落ちこぼれが創る明るい未来の会』代表のwatanabeです。

前回は、傾聴がクライアントとの間に信頼関係を構築させるということを書きました。

また、傾聴の大切さは信頼関係の構築だけでなく、お悩みについての情報収集をすることであったり、カウンセラーがクライアントの悩みをより詳しく聴いていくことで、クライアント自身の中から気付きを生み出す効果もあるということにも触れました。

本日は、前回に引き続き傾聴の大切さについてお話していきたいと思います。

傾聴の基本ヒアリング

カウンセリングやコーチングを行っていく際に、一番最初にすることといえば、当然のことながら、「お悩みの内容をきくこと」となるでしょう。

クライアントは、何かしらの問題があって相談に来てくれているわけですから、まずはその内容を聴いていかなければなりません。

お悩みの内容は、それこそ千差万別でいろいろとありますが、基本的なことでいえば、「どうしていいかわからない」ということになるでしょう。

ですので、我々としては、クライアントの方々にとって、どのように行動すれば問題を解決できるようになるのかを一緒になって探し出していくということとなります。

そこで大切になってくるのは、以下のようなことです。

① クライアントは今、どのようなことに悩んでいるのか。
② その悩みの背景に、どのような価値観が存在しているのか。
③ その価値観が、クライアントの行動化をどのように阻んでいるのか。

 

この①~③を聴いていくことで問題を把握し、それによってカウンセラーが、様々な手法を使ってクライアントを行動化できるように誘っていくわけですが、この①~③のヒアリングが正確にできないでいると、問題解決に繋がるような提案ができなくなってしまいます。

ですので、①~③の部分を丁寧に聴いていくことが、カウンセリングの鍵であり、このことを可能にするのが傾聴であるといえます。

傾聴に臨むカウンセラーとしての姿勢

傾聴するといっても、ただ相手の話を聴いていればいいというわけではありません。
傾聴を通して問題を把握しつつ、前回も述べたように、信頼関係の構築もしていかなければなりません。

従って、傾聴にはヒアリングをすると当時にクライアントとの間に信頼関係を結んでいくという技術であるといえます。
ですので、傾聴をするにあたってのカウンセラーとしての態度がとても重要になってくるのです。

カウンセラーは、受容、共感、自己一致、という3つの要素を持って傾聴に臨みます。
受容、共感、自己一致をもう少し詳しく説明すると、「クライアントの話を批判も否定もせず、クライアントの抱いた感情に共感し、クライアントの存在そのものをありのままに受け入れていく」ということとなります。

(*受容、共感、自己一致については後日、詳しく書いていきたいと思います。)

この受容、共感、自己一致の態度で、カウンセリングに臨んでいかないとクライアントとの間に信頼関係を結ぶことができなくなってしまいますし、信頼関係を構築できないでいると、問題の把握に至るヒアリングも正確にできなくなってしまいます。

よって、クライアントの話を聴くということでさえも、ひとつの技術であり、受容、共感、自己一致の態度で臨む傾聴は、カウンセラーにとっての基本中の基本の技術といってもいいでしょう。

人は信頼できる人でないとなかなか本音で話ができないものです。ですので人と人との間に信頼関係ができるまでには、ある程度の時間が掛かってしまうのが一般的です。

しかし、カウンセリングを行うにあたっては時間という制限が生まれてきます。
初対面の人同士で、しかも短い時間の中で問題を解決していかなければなりません。

しかし、傾聴の技術が身に付いてさえいれば、短時間で信頼関係を構築しつつ、問題の把握を効率よく行ってくれるのです。

カウンセラーとしての資質

傾聴の技術があることはカウンセラーにとってとても大事であるということをここまで書いてきましたが、それ以前にカウンセラーとして大切な資質があります。

それはどういうことかというと、日常生活のどんな場面であっても、「この人だったら相談に乗って貰いたいな」と思われるような存在であるということです。

カウンセラーには、人としての誠実さであったり、温かみのある人柄であったり、そういった人間性が求められます。
従って、日常の生活の中でも誠実性や、温か味のある人間関係を結んでいける力が求められてきます。

日常の生活の中でも誠実さに欠けていたり、冷ややかな人間関係しか結べない人が、カウンセリングをしたとしてもその結果が、どうなるかは目に見えているといえます。

そういった意味も、日常生活の中でもカウンセラーとしての資質を持って生きる必要があり、普段から誠実さや対人関係を円滑に結んでいけるような人間でなければならないといえます。

逆にいえば、普段から誠実に人間関係を結べているような人は、カウンセラーに向いているともいえますし、もしそういった人が身近にいるのであれば、そういった方に相談に乗って貰うことをお勧めします。

カール・ロジャースの言葉

これは、現在のカウンセリング体系の基礎を作ったカール・ロジャースの言葉であり傾聴の力を物語っている言葉です。

人は他の人から理解され、わかってもらえたと思った時、心にある変化が生じます。それが真に自分に向き合う力となり、自らを成長させていきます。

 

人は問題を解決できる能力を本来は持っているものなのです。しかし、その能力を持っていることになかなか気付くことができません。

そこで、カウンセラーがその能力に気付くためのお手伝いをしていくこととなります。

ロジャースの言葉を借りれば、クライアントの心に変化を起こす存在として、カウンセラーが存在していて、カウンセラーがクライアント自身の成長できるようなきっかけ作りをしているといってもいいでしょう

そして、その第一歩としてカウンセラーのすることが傾聴であるといっていいでしょう。

本日のまとめ

傾聴の持つ力
①傾聴は問題の把握をしながら、信頼関係の構築もしてくれるとても優れた技術。
②傾聴は短時間でに信頼関係を結び、効率よく問題把握を可能にさせてくれる技術。
③カウンセラーは普段から誠実で温か味のある人間である必要がある。
④傾聴には、クライアント自身の成長を促す力がある。

 

次回は、カウンセラーが傾聴することによって、クライアントの中から自然と気付きが生まれるということに付いてお話したいと思っております。

 

傾聴の大切さ

 

こんばんは。『落ちこぼれが創る明るい未来の会』代表のwatanabeです。

この会では、①お悩みを持った方の問題解決のお手伝いをすること、➁カウンセリングやコーチングを通じて出会った方々と新しい価値観を形成し明るい未来を築いていくこと、を目標として活動をしております。

まずは、その一環として、この会の礎となっている、カウンセリングやコーチングの周知や普及を行っていきたいと考えております。

カウンセリングやコーチングがもっと世の中に普及し気軽なものとなり、その結果、より多くの人々が、日々の生活を楽しく豊かに送れるようになることを願ってやみません。

また、私はカウンセラーやコーチの持っている対人関係の技術が広がっていくことで、世の中が前向きで調和的になると信じております(カウンセラーやコーチは対人関係のプロなのです)。

ですので、このブログを通して、日常生活に役立つ対人関係の情報を提供していきたいと考えています。

カウンセリングには返報性の原理が用いられている

さて、前回はアサーション(自分のことも相手のことも大切にしましょうという精神)について述べました。

その中で返報性の原理がカウンセリングに用いられているということについて触れました。
今回はこのことについてもう少し詳しく述べていきたいと思っております。

返報性の原理とは、簡単に言ってみれば、良いことをされる(悪いことをされる)とお返ししたくなるという人間の心理のことです。

例えば、年賀はがきが思わぬ人から届いた場合、あなたならどうしますか?
きっと、その人にお礼の文を添えて年賀はがきを送り返すのではないでしょうか。

このように、人は頂いたものに対して、同等か、それ以上のお返しをしたくなるという心理が働きます。
つまり、人は厚意を受けると、厚意でお返ししたくなるものなのです。これを返報性の原理といいます。

従って、この返報性の原理を日常生活に取り入れていくだけで、人間関係が良好になっていくといっても過言ではありません。

傾聴が大切なのは、返報性の原理が働くから

カウンセリングやコーチングを学んでいくと、まず最初に傾聴の大切さやその必要性を学びます。

では、なぜこの傾聴が大切であるかというと、傾聴は、カウンセラーとクライアントとの信頼関係の構築に欠かすことのできないツールだからです。

そして、この傾聴がしっかりとできたとき、クライアントの中からおのずと返報性の原理が芽生え始めます

人は自分の話をしっかりと聴いてくれる人に信頼感を抱くようになります。特に悩みを抱えていたり、前に進めないでいるような状況にある人にとっては、自分の話を聞いて貰えることが、大きな安心感となります。

この安心感こそが、カウンセラーとクライアントの間で生まれる信頼関係であり、安心してなんでも話せる関係ができてはじめて、本当の意味でのカウンセリングが始まるといってもいいでしょう。

このようにして生まれた信頼関係は、どちらかが一方的に与えるという縦の関係ではなく、双方が与え合うという横の関係であり、とてもリラックスできる関係性であるといえます。

返報性の原理が問題解決に導いていく

プロのカウンセラーやコーチは、問題解決に至る方法や技術をたくさん持っています。しかし、こういった方法や技術をクライアントに対してすぐに使うわけではありません。

なぜならば、信頼関係が構築されておらず、返報性の原理が働いていない間は、カウンセラーの持っている技術や技法が活きてこないからです。

例えば、街で出会った見ず知らずの人に、突然、「あなたは〇〇すべきです」と急に指図されたらどう思うでしょうか。
きっと、誰もがむっとして「何言っているんだこの人?」となるでしょう。

しかし、信頼のできる友人から「あなたは〇〇すべきじゃない」と言われたら、「そうかもしれないな」と思うこともあるでしょう。

カウンセラーとクライアント関係は、極端なことを言ってしまえば、見ず知らずの人同士が街で出会っていきなり話し合うようなものです。

ですので、出会ってすぐにカウンセラーが「あなたは〇〇した方がいいですよ」と言ったとしても、クライアントの気持ちはそう簡単には動きません。

しかしながら、カウンセラーがクライアントの話を丁寧に丁寧に聴いていき、悩みを理解し共感することができたなら、自然と友人同士のような関係が作り出すことも可能になるといっていいでしょう。

こうして出来上がった信頼関係があってはじめて、クライアントの中に返報性の心理が働き始め、カウンセラーの提案も受け入れてみよう、と思えるようになるのです。

このような心理的な相互作用をクライアントに働かせていくことで、カウンセラーも一緒になって問題解決に向かって歩んでいけるよう誘っていきます。

問題解決はクライアントとカウンセラーとの共同作業

問題解決は、クライアントとカウンセラーとの共同作業です。
共同作業であるからこそ、クライアントは前に向かって行動できるようになるといえます。

問題解決をひとりで行うよりも2人(あるいは複数)で行った方が心強いものです。

例えるなら、ひとりでする登山と仲の良い友人と一緒にする登山との違いといったらいいでしょうか。
1人だったら挫折してしまうかもしれない山頂までの道のりも、友人と一緒だったらなら最後まで登り切ることができるかもしれません。

しかも、この友人が山のことをを良く知る山岳ガイドであったなら、なおさら心強いと思いませんか。

ですので、カウンセラーとクライアントの間に信頼関係が構築されると、一緒に問題の解決に向かっていこうという意識が生まれ、それによってクライアントの気持ちは大きく前に向かっていきます

傾聴が大切とされる3つの点

傾聴が、返報性の原理を生み出し、それによってカウンセラーからの提案をクライアントが受け入れて貰えるようになる、ということをここまで書いてきましたが、傾聴の大切さは、これ以外にももちろんあります。

簡単ではありますが、傾聴の大切さを以下にまとめてみました。

傾聴の大切さ
① お悩みの内容の把握。
② クライアントとの信頼関係の構築。
③ クライアントがお悩みを語ることで気付きが生まれる。

 
本日は、主に②についてお話してきましたが、次回も引き続き、このカウンセリングにおける傾聴の大切さをお伝えしていきたいと考えております。